ポスティングの仕事と聞くと、住宅街を歩きながら郵便受けにチラシを投函する姿を想像する方が多いのではないでしょうか。
しかし、全国各地を移動しながら配達する「ノマド配達員」にとって、仕事はポストの前に立つずっと前から始まっています。
そのひとつが、駐車場所の確保です。
どこに車を停めるか。
たったそれだけのことが、配達効率を大きく左右することがあります。
今回は、ファミリア合同会社が経験してきた、街中から農村部までの駐車事情と、思わず共感してしまうような失敗談をご紹介します。
街中は駐車場が多いから簡単? 実はそうでもありません
都市部にはコインパーキングが数多くあります。
しかし、駐車場が多いからといって、配達しやすいとは限りません。
短時間なら便利な駐車場でも、長時間利用すると料金が高くなることがあります。
反対に、最大料金の設定がある駐車場でも、配達先から遠ければ移動に時間がかかります。
配達員は、作業時間や移動距離を考えながら駐車場所を選びます。
料金が安いだけでは、必ずしも効率がよいとはいえないのです。
駐車料金、配達時間、移動距離。
この3つを考えることも、配達技術のひとつです。
北関東の農道には、街中とは違う難しさがある
栃木県、群馬県、茨城県。
北関東の農村部では、田畑の間を通る細い道路が数多くあります。
農道の先に住宅が点在していることもあり、車がなければ移動だけで相当な時間がかかります。
ところが、車で向かったとしても、今度は停める場所が見つかりません。
特に収穫期には、コンバインやトラクターなどの農業機械が行き交います。
一般の乗用車より幅のある農業機械も多く、道路の端に車を寄せた程度では通行できないことがあります。
集合住宅への配達中、後ろからコンバインが!
実際に、こんな経験がありました。
北関東の農村部で、集合住宅への配達を進めていたときのことです。
後方からコンバインやトラクターなどの農業機械がやってきました。
しかし、道路が狭く、車を横に寄せるだけでは通れません。
配達員はいったん作業を中断して車まで戻り、移動させることになりました。
ところが、周辺には駐車できる場所がほとんどありません。
ようやく車を移動させても、そこから再び元の集合住宅に戻るまでに、かなりの時間がかかってしまいました。
農村部では、農業機械が通るのは日常のことです。
地域の方々の仕事を妨げないよう、配達員も道路事情を考慮しなければなりません。
配達の効率は、ポストに投函する速さだけでは決まらないのです。
軽バンから三輪バイクが登場!
そんな農村部で活躍するのが、バイクを活用した配達方法です。
全国各地を移動する配達員の中には、軽バンにバイクを積んで移動する人もいます。
しかも、積んでいるのはホンダの三輪バイク「ジャイロX」。
軽バンの後部を開けると、中から三輪バイクが現れる。
一般の方には、なかなか見慣れない光景ではないでしょうか。
軽バンで長距離を移動し、現地では適切な駐車場所を確保して、ジャイロXで配達に向かいます。
車では停める場所に困る細い道路でも、バイクなら移動しやすい場合があります。
もちろん、バイクでも交通ルールを守り、安全な場所に停めることが大前提です。
軽バンは移動と資材運搬、ジャイロXは現地での配達。
それぞれの特徴を生かした、ノマド配達員ならではの工夫です。
予約駐車場にも「あるある」がある
最近は、駐車場を事前に予約できるサービスも増えてきました。
akippa(アキッパ)、タイムズのB、特Pなどは、配達員にとっても便利なサービスです。
特に住宅街では、一般の方が所有する駐車スペースを利用できる場合もあります。
ただし、便利なサービスにも思わぬ落とし穴があります。
私たちも、実際にいくつかの失敗を経験しました。
あるある① 予約したのに、停める場所を間違えた
ある住宅街で、事前に駐車場を予約していたときのことです。
現地に到着したものの、指定された駐車スペースが分かりにくい状況でした。
ここだと思って車を停めたところ、なんと隣の住宅の駐車場だったのです。
結果として、警察官が来る事態になってしまいました。
予約そのものは完了していても、停める区画を間違えてしまえば意味がありません。
特に個人宅の駐車場では、現地の写真や区画の位置を慎重に確認する必要があります。
あるある② 予約したつもりが、予約できていなかった
こちらも実際に経験した出来事です。
予約サイトで駐車場を選び、手続きを進めたところまでは覚えています。
ところが、後から確認すると予約が成立していませんでした。
途中で操作を中断してしまったのか、最後の確定まで進んでいなかったのか。
いずれにしても、予約したつもりになっていたのです。
予約画面を開いたことと、予約が完了したことは別。
当たり前のことですが、忙しいときほど見落としがちな部分です。
それ以来、予約完了の確認や、現地の駐車区画の確認がいかに大切かを改めて感じています。
ベテラン配達員は、車を停める前から考えている
経験豊富な配達員は、配達先に到着してから駐車場所を探すだけではありません。
どこに車を停めれば効率よく回れるか。
そこから徒歩でどの範囲を配達できるか。
どの程度の時間がかかるか。
次の地域へどう移動するか。
こうしたことを考えながら配達計画を立てています。
街中と農村部では、必要な判断も異なります。
また、車だけでなく、バイクや自転車を活用するという選択肢もあります。
配達員によって装備も経験も違うため、すべての現場に共通する正解があるわけではありません。

駐車もまた、プロの技術
ポスティングの仕事は、郵便受けに投函するだけの単純な作業に見えるかもしれません。
しかし、実際には地図を読み、配達ルートを考え、地域の道路事情を理解する必要があります。
そして、車をどこに停めるかという判断も欠かせません。
ときには失敗することもあります。
予約した駐車場を間違えたり、手続きが完了していなかったり。
そんな経験も、次の現場に生かす大切な知識になります。
プロのポスティングは、駐車場所から始まる。
全国各地を渡り歩くノマド配達員には、こうした現場の経験と工夫が積み重なっています。
ファミリア合同会社では、これからも一般にはあまり知られていない配達の世界を、実際の現場経験を交えながらご紹介していきます。
ファミリア合同会社
全国を渡り歩くプロ集団「ノマド配達員」
