栃木県鹿沼市。
宇都宮市の西側に位置するこの街は、市街地から少し離れると田園風景が広がり、さらに西へ進むと山深い地域へと変わっていきます。
市域の約7割を森林が占める、自然豊かな地域です。
今回は、そんな鹿沼市でファミリア合同会社のベテラン配達員が経験した、少し驚くような出来事をご紹介します。

市街地と山間部では、まるで別世界
鹿沼市での配達業務では、2人の配達員が担当エリアを分けて作業を進めていました。
1人は市街地、もう1人は西部の山間部。
私たちは、このように2人で協力して業務を進める方法を「ツーマン配布」と呼んでいます。
市街地では住宅がまとまっているため、比較的効率よく配達を進められます。
ところが、山間部では事情がまったく異なります。
住宅が点在し、次の配達先まで長い距離を移動することも珍しくありません。
道路が細く、車での移動にも気を使います。
同じ市内でも、配達の難易度には大きな違いがあるのです。
ベテラン配達員が配達できたのは、わずか17件
この日、山間部を担当したのは、各地で豊富な経験を積んできたベテラン配達員でした。
しかし、その日の配達実績は、わずか17件。
普段から数多くの住宅を回っている配達員にとっても、非常に珍しい数字です。
担当したのは、本人いわく、
「もう少し行けば群馬県」
というほど西へ入った山間部でした。
ただし、配達が進まなかった理由は、住宅が少ないことだけではありません。
そこには、都市部のポスティングではなかなか経験しない事情がありました。
警察官から「釣りにでも来たのか?」
山間部を移動していた配達員は、途中で警察官に声をかけられました。
「釣りにでも来たのか?」
「いえ、配達です」
すると警察官は、驚いた様子でこう言ったそうです。
「え? 人はいないぞ」
もちろん、まったく人が住んでいないという意味ではないのでしょう。
それほど人家が少なく、配達のために訪れること自体が珍しい場所だったのだと思います。
さらに警察官からは、思いがけない注意を受けました。
「サルが車の中に飛び込んでくることがあるから、窓を開けないように」
山間部では、サルやクマなどの野生動物にも注意が必要です。
ポストを探すことだけが、配達員の仕事ではないのです。
配達を続けないという判断
私たちの仕事では、配達を正確に完了させることが大切です。
しかし、それ以上に大切なのは、配達員が安全に帰ってくること。
野生動物の危険があり、警察官からも注意を受けた状況で、無理に作業を続ける必要はありません。
この日は安全を優先し、山間部での配達を切り上げました。
結果として、配達件数は17件にとどまりました。
しかし、これは経験不足によるものではありません。
経験豊富な配達員だからこそ、現場の状況を見極め、無理をしない判断ができたのです。
警察官との出会いも、現場ならでは
実は、この頃、栃木県内の別の配達現場でも、複数の配達員が警察官から声をかけられる出来事がありました。
配達員たちは仕事の内容を説明し、必要な確認に対応しました。
全国各地で仕事をしていると、地域によって交通事情も周辺環境も異なります。
時には、普段の配達では想像もしないような場面に出会うこともあります。
そうした経験の積み重ねが、配達員の現場対応力につながっていきます。
ノマド配達員に求められるもの
私たちが「ノマド配達員」と呼ぶのは、特定の地域だけでなく、全国各地へ移動しながら配達業務に取り組む専門的な配達員たちです。
都市部の住宅密集地から、地方の農村部、山間部まで。
訪れる地域が変われば、求められる技術も判断も変わります。
地図を読み、住宅を探し、道路状況を確認し、周辺の危険にも注意を払う。
そして、必要であれば撤退する。
配達件数だけでは測れない技術と経験が、ノマド配達員の強みです。
鹿沼市の山奥での17件。
この数字は、私たちにとって、配達の難しさと安全の大切さを改めて考えさせる現場記録となりました。
ファミリア合同会社では、これからも全国各地で活躍する配達員たちの経験や技術を、このブログで紹介していきます。
ファミリア合同会社
全国を渡り歩くプロ集団「ノマド配達員」
