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速いだけがプロじゃない。配達日数を読めるベテランの技術

ポスティングの仕事では、一日に何件配れるかが注目されがちです。

500件、700件、そして1,000件。

もちろん、たくさん配れることは立派な技術です。

しかし、私たちが現場で出会ってきたベテラン配達員の中には、単なる配達スピードとは違う能力を持つ人がいます。

毎日の配達件数を安定させ、仕事が終わる日まで見通せる配達員です。

今回は、そんな一人のベテラン配達員についてお話しします。

朝の住宅密集地と、午後の郊外

その配達員は、朝から住宅が密集している地域を回ります。

住宅同士の距離が近い地域では、比較的効率よく配達件数を積み上げられます。

そして、ある程度の件数を確保すると、住宅が点在する地域へ移動します。

一軒ごとの距離が離れ、移動に時間がかかる地域です。

普通なら、効率のよい場所をできるだけ多く配りたいと思うかもしれません。

しかし、このベテランは違います。

効率のよい地域と、効率の悪い地域を一日の中で組み合わせるのです。

その結果、毎日の配達件数が大きく変動せず、安定した実績につながっています。

配達が速いことと、仕事を計算できることは違う

管理する立場からすると、この技術は非常にありがたいものです。

例えば、一日だけ1,000件配れても、翌日は300件、その次は500件という状態では、仕事がいつ終わるのか予測しにくくなります。

一方、毎日の件数が安定していれば、残りの配達日数を計算しやすくなります。

完了予定が読めれば、次の案件の準備や人員配置も組みやすくなる。

つまり、一人の配達員の技術が、現場全体の工程管理を支えているのです。

単に速く配るだけではありません。

仕事を予定どおりに終わらせるための技術なのです。

私は、ときどき「天才ですね」と声をかけます

私は、このベテラン配達員に、ときどきこう声をかけます。

「天才ですね」

配達員という仕事で、この言葉をかけられる機会は、あまり多くないかもしれません。

しかし、私は本当にそう思っています。

長年の経験の中で、自分なりの方法を考え、試し、磨き上げてきたのでしょう。

そして何よりすごいのは、その技術を一日だけ発揮するのではなく、毎日当たり前のように実践していることです。

努力して身につけた技術を、安定して再現し続ける。

それは、誰にでもできることではありません。

天才とは、努力を技術に変え、それを当たり前に続けられる人。

私には、そう見えるのです。

配達員は、単なる作業員ではない

ファミリア合同会社では、配達員を単なる作業員だとは考えていません。

長年の経験によって培われた技術には、一人ひとり違った価値があります。

住宅の形状からポストの位置を見つける人。

初めての地域でも、効率よく配達を進める人。

そして、毎日の配達件数を安定させ、仕事全体の予定を立てやすくしてくれる人。

その技術は、現場を知らなければ見過ごしてしまうかもしれません。

だからこそ、私たちは配達員の仕事をよく見て、優れた技術を正しく評価したいと考えています。

「天才ですね」という言葉も、お世辞ではありません。

努力を積み重ね、結果を出し続ける人への、心からの敬意です。

ノマド配達員という専門職

私たちは、全国各地へ移動し、現地に滞在しながら戸別配達を行う専門スタッフを「ノマド配達員」と呼んでいます。

地域が変われば、住宅の密集度も道路事情も変わります。

慣れない土地で安定した成果を出すには、経験と判断力が必要です。

今回ご紹介した配達員のように、日々の仕事を自分で組み立て、計画的に進められる人は、現場にとって非常に頼もしい存在です。

配達員の実力は、最高記録だけでは測れません。

素人は一日の最高件数を追う。プロは最終日までの数字を組み立てる。

私たちは、そんな目に見えにくい技術にも価値があると考えています。

そして、その技術を持つ人たちを大切にしていきたいと思っています。